十月の歌舞伎座、第二部を観劇してまいりました。
演目は『盛綱陣屋』。
そして、仁左衛門さん。
もう……かっこよくて、泣けました。
『盛綱陣屋』は、戦乱の世を生きる武士たちの義理と人情、そして親子の情愛が描かれた物語です。
敵味方に分かれてしまった兄弟。
武士としての立場。
それぞれが胸に秘めた思い。
誰もが何かを背負い、簡単には本心を明かすことのできない世界。
その中で描かれる人間の情の深さに、胸が締めつけられます。
そして、舞台に立つ仁左衛門さん。
なんでしょう、この存在感。
立ち姿の美しさ、台詞の響き、ふとした目線や所作。
その一つひとつに、長い年月をかけて磨かれてきた芸の力を感じます。
ただかっこいいだけではないのです。
人物の心の奥底にある葛藤や哀しみまで伝わってくるからこそ、目が離せなくなる。
華やかさの奥にある人間味。
凛とした姿の奥にある情の深さ。
その魅力に引き込まれ、気づけば涙がこぼれていました。
歌舞伎は、様式美の芸能でありながら、描かれるのはいつの時代も人間の心なのですね。
義理と人情。
親が子を思う気持ち。
愛する人を守るために、何を選び、何を手放すのか。
時代も価値観も違うはずなのに、その思いは現代を生きる私たちの心にもまっすぐ届いてきます。
そして、その物語に命を吹き込む役者さんの芸。
筋書きを知っていても心が動く。
結末がわかっていても涙が出る。
それはきっと、舞台の上で人間の心が生きているから。
今月は第三部で松緑さんの『義経千本桜』を観に行く予定💛
なんとも贅沢な十月の歌舞伎座です。
好きな役者さんの舞台を観る喜び。
そして、期待を超えて心を揺さぶられる幸せ。
日本人でよかった🎵
劇場を出たあとも、あの表情、あの声、あの佇まいが心に残っています。
あぁ、やっぱり歌舞伎はいい🩷