長唄協会、夏季演奏会が終わりました。
ご来場の皆様ありがとうございました。
いつも応援に駆けつけてくださいますお弟子の皆さま、ありがとうございます。
この場を借りて御礼申し上げます🙏
さて。私が演奏しました「那須野」ですが。
最後に演奏したのはいつだったかな?
やはり協会だったのかな?
記憶にございませんが…笑
この【那須野】の解説を少し。
《那須野》は江戸時代末期に作られた《三国妖狐物語》という長唄を上・中・下の3段に分けたうちの下の巻です。
正式には「三国妖狐物語下之巻(さんごくようこものがたりげのまき)日本那須野之段(にっぽんなすののだん)」と呼びます。
最初に《三国妖狐物語》を説明しますと、作詞は《末広がり》と同じ3世桜田治助、作曲は初世杵屋六四郎。
天竺(インド)・唐土(中国)・日本の3国において九尾の狐が美女に化けて悪行を働くというストーリーを長唄化したものだそうです。
上が三下りで天竺、中が本調子で唐土、下が二上りで日本という対応関係になっていて、全編通すと約50分ほどかかるという大曲です。
とにかく長いので、全曲演奏はめったに行われず、特に下の巻だけ独立して演奏されることが多いのですが、この下の巻のみを特に「那須野」と呼びます。
面白いですよね。
実は私、三国妖狐物語の上と中は演奏したことがありません。
流行らないのは理由があるのかもしれませんね。
さて、《那須野》は楽しげな前弾と唄で始まります。
舞台は下野国(現在の栃木県)にある那須野が原。助蔵と助作という狩人たちが居眠りから目を覚まし、揃って妙な夢を見たと語ります。この曲だけだと何の夢かよく分からないのですが、実は夢の内容は【中の巻(唐土華清宮之段(はなのかせいきゅうのだん)】の話なのです。
夢の話をしようとする2人のところに、お玉という名前の美しい女性が現れます。
男2人はお玉と戯れ、自分の出身地と絡めて口説きにかかります。今は狩人だがもとは船乗りだったと言い、浜唄を唄い出します。
戯れるうちにお玉は懐から錦の袋を取り落とします。中に入っていたのは怪しい宝玉。助蔵と助作はお玉を問い詰めます。実はこのふたり、狩人などではなく、妖狐討伐に差し向けられた武士(上総介広常と三浦介義純)なのです!
神の加護を得た弓矢の前に妖狐はついに正体を現します。
かつて天竺と中国で君主を篭絡し、日本では天皇の寵愛を得たが、陰陽師の安倍泰成に正体を見破られ那須野まで逃げてきたと語る妖狐。
ついにふたりは妖狐に斬りかかります。
敗北を悟った妖狐は悪念を放棄、これからは五穀豊穣の神と変じてこの国を守護すると誓います。
ざっとこんな感じの内容だそうです。
上の巻、中の巻、からの那須野だったんですね…
那須野以外の巻の解説は、またいつか🙌